Stikaというカッティングプロッタを動作させるためにCutStudioというバンドルソフトを使う。
この記事に辿り着く人がいるとすれば、説明は不要であろう。
かれこれ10年以上使っているのでほぼ使いこなしているが、StikaをInkscapeから直接カットする、と言った非公式な方法がある。
パスの太さを0.1Px以下にすればInkscapから印刷でStikaを動かすことができる。
ただし、印刷範囲関係でトラブったりするのであまりお勧めはしない。
販売するRolandDGではアドビのillustratorかcoreldrawからCutstudioに入力するプラグインが提供されているがどちらも有料である。
イラレは一応古いバージョンを持っているが、ライセンスの関係でどのパソコンでもというわけにはいかないので、いちいちそのパソコンで変換して、と言うのは非常に面倒である。
ならばInkscapeを使いたいと思うのだが、CutstudioからInkscapeはコピペでパスをコピーできるが逆はできない。
AIの進化によりSVGを簡単に生成できる以上これを利用しない手はない。
しかしCutstudioはSVGやDXFを読むことはできない。
前置きが長い、本題。
Inkscapeで作ったパスをCutstudioに持ってきたい。
以前から思ってはいたが、何度か挫折している。
今回は頑張ってみた結果、予想外のソフトを経由して、Cutstudioにコピーする事が出来た。
まずはCutStudioでパスをコピーしてみる。Inkscapeにはパスとして貼り付けることができる。
次にInkscapeでコピーしてみる。貼り付けは機能しない。
これはコピーしている形式が違う為だろう、と言うことでクリップボードの詳細を見る必要が出てくる。
CLCLというクリップボードの履歴管理をインストールしてみる。
フリーで使わせて貰えることは感謝である。
これでCutStudioのコピーをしてみると、CutStudio Object、METAFILE PICTURE、ENHANCED METAFILEと三種類コピーされていることが分かる。
正直クリップボードにコピーされるものがこんなに多いとは知らなかった。
アプリによってどれを取得するとか決めるのだろう、すごい仕組みだ。
CutStudio Objectは独自形式なのでどうにもならない。
調べてみるとENHANCED METAFILEはベクターデータらしい。これは怪しい。
そして、Inkscapeの方はx-emfという形式でコピーされる。これ上記の新しい規格なのだろうか?とりあえずENHANCED METAFILE形式はクリップボードにはコピーされない。おそらくこれが原因だろう。
Illustraterでコピペできたのは恐らくENHANCED METAFILE形式もコピーされるのだろう。
というわけで、ENHANCED METAFILEについて調べてみると拡張子は.emfらしい。
これは見たことがある気がする。と思ったらInkscapeで保存できる拡張メタファイル形式だった。
さて、emfファイルを扱えるソフトはたくさんあるだろう。
illustratorより身近なソフト、それはMSOfficeのエクセル。
エクセルについてはまたいずれ色々書くネタはあるのでそのうち。
エクセルに一度Inkscapeでコピーしたものをペースト。からエクセル上で再度コピーしてCutStudioにペーストするとパスとして貼り付けることができる。
貼り付けが出来た時は結構感動した。
ちなみにワードの場合は画像が優先される?のか画像として貼り付けてしまう。
優先度はソフトによって違うのだろうか?なんにせよベクターデータを優先してペーストするエクセルには感謝である。
と、言うことで困ってる人はぜひエクセルにお願いしてみると良い。
エクセル他にもいろいろ有能なので時間はとても喰われるが使い方を覚えて損はない。
これでSVG,DXFのパス編集はInkscapeだけに頼らずCutStudioでもできるようになった。
ベジェ曲線はCutStudioで覚えたと言っても過言ではないのでかなり効率的に作業ができそうだ。