無色の日記

無職開始の記録。

無色の日記71 2/29の奇跡

友人の気分転換も兼ねて小樽まで観光をしてきた。

友人も仕事環境に悩んでいるらしく、起業も視野に入れているようだ。

古い価値観の会社全てが悪い訳じゃないが、管理職がダメな会社は下の立場の者としてはたまったものではない。

時代の転換期だからこそのトラブルは仕方ないことなのかも知れないが、考え方を変えられない管理職は会社の負債である。

既得権益を持つ人間が簡単にそれを手放すはずが無いのも理解できるが、それで下の立場の者が不満に思う様なら、その権利と利益は分不相応である。

 

と、友人の話を聞いてそんな事を思うと話したが、何の解決策にもなっていない。

そもそも解決策があるなら似たような話がその辺で何度も聞こえるはずがない。つまり、みんな環境に止むに止まれぬ事情で我慢しているだけなんだろう。そもそも働いているだけで偉いと思う。誇れ。

そして社会的にも偉くなった時に下の立場の者に同じ思いをさせないように頑張って貰いたい。

 

と、脱線したが、小樽には観光以外にもうひとつの目的があって、友人が見つけた木工作家の作品を販売しているお店に私の作品を置いてくれないか聞きに行ってみようとの事だった。

コネも何もなく毎度の事ながらアポなし突撃である。お店としては迷惑千万であろう。

私的にはアポなど取ったことがないので、抵抗感はまるでない。無理と言われて当然なので所謂、無敵の人である。

 

お店はすぐに見つかり、平日ながら海外の観光客でとても混んでいる。

お店の商品は手前はガラス作品で奥が木工作品と別れていた。小樽でガラスは珍しくないが、木工は珍しい。しかも木工の作品は想像以上にレベルが高く、参考になる作品が多くあり、そして、種類が多い。以前の販売会で知り合った方の作品も置かれていた。

写真の許可を店員さんに頂き、参考になるものは片っ端から写真に納めていく。

本当に想像以上だった。作家さんも有名な旭川の工房から個人工房かなと思われる所まで多岐に渡り、これは本当に自分にもチャンスがあるんじゃないかと思えてくる。

 

ショップカードがレジ横にあったので、先程の店員さんに貰って良いですかと尋ねてカードを頂く。その流れで自分はこんなの作ってるんですけどこちらで販売できないかと畳み掛ける。

店員さんは判断出来ないのは分かっているが、聞くのは自由?である。いや、困らせてごめんなさい。

そして運良く上司の方に確認を取って貰えた。

 

帰ってきた答えが、そこに今ちょうど社長が居ます。(右)

 

私は思わず、は?っと素っ頓狂な声をあげてしまったが、右側を見るとあ、この人社長だって感じの人が店員さんと話していた。店員さんにお礼を言って社長らしき人と店員さんが話し終わるのを少し待って、いざ突撃。

 

突然で怒られるかなーと思ったけど、丁寧に対応して頂き、アドバイスと名刺を頂く。自分のペンを見てもらったりして10分くらい店舗内で話をして頂いて、この商品が売れるとか、このジャンルが良いとか、結構な情報を教えてくれた。そしてこの作家さんがこれを作らなくなった。これはもうアドバイスというより答えだろう。

 

という事で試作を作ることになりました。

 

予定より移動がかなりズレ込んだりしていた上で、このタイミングで社長に会えるのどんな運の巡り合わせか。これはもう奇跡としか言いようがない。

 

友人には奇跡の対価には釣り合わないかも知れないが、かま栄のかまぼこを奢ってお礼をした。かま栄美味しいし。

 

そんな感じで4年に1度の2/29は奇跡の一日となった。

 

奇跡で終わらせる訳にはいかないので 、実力で商品化まで努力せねば奇跡の無駄遣いで終わってしまう。まずは図面を引かなくては。

無色の日記70 雪と事務

今年は雪が少ないなと思ったらちゃんと降るわけで。

昨日今日と除雪をしてたので作業どころではない。

かといって何もしないのは許されないので、午前中に金具の発注。

今回は主にシャープペンのワンピースタイプを中心に130本程。

 

また、月末も近いので事務作業。

棚卸しをしたり、作業日誌を作ったり、在庫チェック出力用のマクロを組んだりとお金は生んでないが必要な作業。

明日は経理の仕事がメインになるだろう。お金の管理大事。できればその日毎に処理したいのだが、仕組みが整っていない。何とかせねば毎月月末は苦労し続けることになる。

一度まとめて苦労してその後ずっと楽する為にそのうち時間を割かねば。

 

あとは新作の構想はあるものの必要な資材が中々手に入らない。製作意欲が上がるのは良いことだが実際に作らないとお金生まないんだよなぁ。そもそも売れるのかも不明だし。

色々棚上げしている問題もあるし、スピード感というものが足りていないのかも知れない。

 

無色の日記69 実績解除:初売上

今日ついに、鉋から作ったペンを納品してきた。

ボールペンx16、シャープペンx5で単価は2,500円、計52,500円の売上となる。

 

木軸ペンとしては単価は非常に安い 。が、せっかくリサイクルしたのに使われないのでは本末転倒もいいところなのでまずは反応を伺う感じだろうか。

なんにせよ、売ることが出来たのは非常に嬉しい。

販売実績ができたので、ここを足掛かりに販路を広げていきたいと思う。

販売先は北海道帯広のリサイクルショップ  ビックバン工具館(宣伝)

税込3,300円なので近くに寄ったら見てみて欲しい。

 

また、別の1件の仕事が取れたので、そちらもそこから広がる様にいい商品を作りたい。

 

そして更に、新プロジェクトも始まった。製品になるまで公開は控えるが人生やっぱり無駄な事は無いんだなと実感する。反応も良かったので商品になる可能性も大きい。

商品にする為の下処理から結構な労力がいるが、まずは試作して形にする価値はある。

ちなみに加工中にバンドソーの改造部品を破損してしまったのでまずはその修理から。あれは事故。刃が切れなくて良かったレベル。

加工手順の見直しで対策できそうなので、治具の設計も必要になる。

 

なんにせよ、初売上だ、赤飯だー(笑)

無色の日記68 2/22

昨日の惨敗から一夜明け、接着剤も十分に乾いた所で、準備していたブランクを朝から慎重に削っていく。

 

ラフィングは負荷が大きいのでスピンドルガウジで少しずつ角を落とし、丸棒にする。

ドリルも細心の注意と送りで、割れることなく芯を通す所まで来た。

パイプを通しても油断はできない。表面が欠けることも経験している。

ベベルラビングを最大限意識しながら、前後のブッシュに木地を合わせていく。全体も大まかに削るが、樹種と繊維方向の違いで削れ方が全然違うので、スムーズな曲線は意図的に動かさなければならない。普段は木に任せればそれなりに自然な曲線が出来上がる。

前後をブッシュに揃え、全体を細くしていくといよいよ模様が見えてくる。模様周りの割れもまだ発生していない。

よく作る形状に薄皮を削る様に慎重に削っていき、何とか形にすることができた。

サンディングで曲線を整え、シェラックでコーティングする。

 

昨日全く形にならなかったペンがついに完成した。模様の入れ方に色々妥協があったが、削ってみるまで妥協しても問題無いのかすら分からなかったのでシミュレーションもせずぶっつけ本番である。

 

結果がこちら。↓

良く言えば、水玉模様である。

白樺をベースに、槐とウォールナットの棒を差し込んで接着している。

イメージとしては、白、明るい茶色、黒を目標に作ったが、ウォールナットではまだ明るかったようだ、白樺も白まではいかない。もちろん試作で色は確認しているが、模様次第では問題無いだろうと踏んでいた。

なぜ色に拘ったかと言うと今日は2月22日である、つまり猫の日である。

はい、三毛猫をモチーフにして作りました。結果はどうも三毛猫には見えない。比率や配置、色合いがイマイチだったようだ。原因を探るべくじっくりと見ていく。

 

…あ、これ、ちくわだ。

気付いた瞬間もうちくわにしか見えない。物凄い労力を注ぎ込んでちくわができた。

 

技術、精神、その他色々かなりの経験値を稼げたものの、今年の猫の日プロジェクトは失敗と言っていいだろう。だってちくわだもん。

だがしかし、来年も挑戦する。その時はこの記事を見て1年間の成長を実感できるよう研鑽せねば。

 

ちなみに、桜の螺鈿、花梨の端っこ等のペンも作ったが、インスタグラムの方に投稿した。そちらの方が完成度は高い。

だがちくわペンも見た目のインパクトはどんな銘木にも負けない。

無色の日記67

オーダーの仕事2本をさらっと済ませ、納品の準備は整った。

そして、22日に合わせてペンの試作をしていたのだが惨敗だった。

昼から夜まで最低限の休憩で作業をしたが、後半はボロボロで怪我やら苦労して作ったブランクを切削中に割ったり完成イメージすら分からぬままの作業終了となった。ついでに割れた原因もハッキリとはしていない。

精神的に追い込まれてはいたが、明日に備えて原因の一部を改善したブランクを準備して終了。

イメージしている形になるかも不明だし、それ以前にまた割るかも知れない。

 

思い返せばペン作り自体最初はボロボロで何度も失敗してきた。その度に改善策を検討して、今では標準の物であればさらっと作ったと言えるまでに成長している。

 

新しい事が最初からうまく行くことの方が稀だろう。少し調子に乗っていたようだ。

失敗をした分成長した訳だし、今日はとても成長したと誇っていい。そう思わなければ時間も犠牲になった木材もただ無駄になってしなう。

 

明日は今日の失敗を活かして完成を目指す。

無惨なブランクの供養としてこ日記に記す。R.I.P.

無色の日記66 マホガニー

マホガニーが到着したので撮影。

何と言う木目なのだろう。ペンにしたらうまく残るかは分からないがとても奇麗な木目である。リボン杢という奴だろうか。光沢が三大銘木に恥じない高級感がある。

いずれ加工するが、今は別のプロジェクトを進行中。22日に間に合わせたいのだが、新しい試みなのでうまくいくかどうか。

合わせて、新しいプロジェクト用に新しい素材を購入。宝石もちょっと仕入れ予定。

 

そして、名刺が出来たり、現在の工房があと1年ちょっとで使えなくなるとか色々な事が起こっている。意外と忙しい。

無色の日記65 螺鈿細工

試作の紫檀&アワビ(アバロン)の螺鈿(らでん)細工シャープペン。

さすがに自分でも驚く仕上がりなので記事を書かない訳にはいかない。

元は万華鏡用に購入したアバロンシートだったのだが、紫檀を使うなら見劣りしないだろうと入れてみたところ中々の見映えとなった。

曲げの限度を超えているらしく、貝にヒビが入る等の課題はあるものの研究する価値は十分にあると判断。オパールもいずれ入れてみたい。